オオクワ飼育のコツ                     

飼育容器
      ・成虫は1匹づつ分けてミニプラケースで飼育します
      ・水分保持のためにも、プラスペーサーでフタをし、通気用の穴をあけるだけにしてショウジョウバエ
       対策もしましょう。
      ・マットを入れる量は2cmも入れれば十分です。ただし、成虫が転んで体力を消耗して死亡する事が
       良くありますから(ショップでよく上向いて死んでますね)起きあがれる様に材割した破片を5本程度
       入れておきます。
      ・マットは、ダニの発生にも注意しながら定期交換します。エサでグチュグチュになったら即交換。
      ・マットは、有名メーカー品で殺菌済の物が良いでしょう。発酵マットの方が安心かな?
       不安なら電子レンジでチンします。(燃やさないよう注意)

    エサ
      ・エサは、市販の昆虫用ゼリーでOK。
       こぼしたり、マットが混ざらないようにフタは剥がさず、カッターで十字に切れ目を入れるだけにします。
      ・時々、バナナを1/3程度に切って皮付で入れます。
       バナナは劣化が早いので、2日程度で取り出します。
産卵ケース
  ・私は、省スペースも考え温室に入るサイズで湿度も維持できる様に下記の小コンテナを使っています。
  ・温室は22℃程度を維持
  ・マットは発酵済マットでナラかクヌギ材の柔らかめのものを3本入れています。
  ・効率を考えてとして♀3匹を1コンテナに入れています。
  ・時々、エサのチェックをし、2〜3週間後、材を掘り出して産卵跡をチェックします。
  ・産卵跡が多く見つけられたり、材がボロボロになっていたら、親を取り出し元のペアのプラケースに戻し、
    動物性タンパク質の入ったゼリーに切り替えて与え、3ヶ月程体力を回復させます。

   

さあ、親を取り出して2週間程度たったら楽しい材割です。
   ここからは、初令(卵)を割り出してから、成虫になるまでの飼育のポイントと成長の記録を記載しました。
     参考にして下さい。

   山梨産オオクワガタを例にします。
  
●卵
交尾後プラケースから
メスだけを取り出し産卵用ケースに移しましょう。そのまま、触らず2〜3週間後、慎重に材割しましょう。卵のまま取り出す場合はプリンカップに濡れティッシュをセットしその上に置いておけば10日程で孵化します。手で触ってはいけません。温室25℃
●初令幼虫
頭幅は1〜2mm程度の小さな幼虫です。取り出した幼虫は、
発酵マットで1週間程育てましょう。
あまり小さい内に菌糸に入れると
菌糸にまかれて死亡する場合があるからです。また、マットに移動する際、材の食べかすも一緒に移しましょう。手で触ってはいけません。温室25℃
●初令2週間頃
透明な初令→よく見る幼虫の色形になったら、菌糸プリンカップへ移しましょう。
小さいうちから菌糸に慣れさせたほうが大型が期待できます。フタには、通気用の小さな穴を1つあけておきましょう。菌糸マットは細目の方が成長が良いようです。温室25℃
プリンカップに移す頃の幼虫です。
プリンカップにこだわらず450ccビンに移しても良いですが、
プリンカップは場所を取りません。また、ビンに移す頃に♂♀の判断が出来れば♂は900ccに移しても良いでしょう。手で触ってはいけません。温室25℃
頭がやたらと大きいのは♂でしょう。
一度の産卵の中でも個体差が既に出てきて、とりわけ大きいものには
温室内の中央の温度の安定したいつも暗い場所を提供します。温室25℃
●2令幼虫
プリンカップの菌糸も食べた後が目立ち始めたら♂♀の判断後早い目にビンへ移動しましょう。♂→900cc  ♀→450cc

少し温度を下げる
理由は、積算温度上、なるべ多く食べさせ太らせる事が目的です。
温室22℃
●3令幼虫♀
お尻から3節目に
黄色い紋が見えます。♀の印です。
どんどん大きくなります。
ビン内の菌糸が2/3程度食べられたら
ケチらずビン交換をしましょう。どんどん食べさせて太らせましょう。
温室20〜22℃
●3令幼虫♂
ここまで成長させるために温室温度が高ければ(30℃以下)3ヶ月程度。低ければ(20℃程度)8ヶ月程度を要します。上記の幼虫は既にクリーム色がかっており本当の終令ですね。
温室22℃
●終令〜前蛹
菌糸がほとんど食されているし、そろそろ前蛹の時期か?になったら、迷わず交換します。
交換後、少し温度を下げてビンに慣らせてから蛹になるように注意します。温室20℃〜22℃
●前蛹
幼虫の大きさを見計らって温度を上げます。
一気に蛹にさせた方が縮まず良いように思います。この頃は、あまりビンに触れない方が良いでしょう。温室27℃
●蛹♂
蛹室は前蛹時に幼虫が出したフンで内側が塗り固められ周囲が黒ずんで見えます。完全に蛹になれば多少の観察に問題は無い様です。おしりフリフリですけど。
温室25℃
●蛹♀
♂に比べて早く蛹になります。個体差もありますが2ヶ月程早い様です。
●羽化
蛹も羽化が近づくと小豆色に変化します。
羽化が近づいたら振動や室温の変化には充分注意します。羽化直後は、この写真の様に羽が真っ白です。
温室25℃
●羽化2日後♀
体色も茶色く変化しますが、体の水分を蒸発させるのに
足を上にあお向けになってじっと動かなくなったりします。お尻も羽と同じくらいの長さに縮んでスリムになります。温室25℃
●羽化2日後♂
ビン幅いっぱいの♂。
こうなると嬉しいですね!
まだまだ弱々しい茶色の♂
このまま1ヶ月程じっとがまん。
温室25℃
●成虫74mm
♂♀産地種類など1匹づつミニプラケースで大切に飼育します。3か月程度経過したらペアを決めて交尾させ、80mm以上をめざして累代飼育にチャレンジしましょう!