阿弥陀岳中腹よりの赤岳
山行記(続き) |
◆劇的な眺めに時間を忘れる。オレンジ色の太陽が角度を上げる。遠く御岳の後ろには巨大な黒い三角形。
「影御岳」だ。実に神々しい。北アなどと違って眼下に下界が見下ろせる、2800m級の高さが実感できる。
◆「その果てを限ってすべての山々が見渡せる。すべての山々? 誇張ではない。本州中部で、この頂上
から見落とされる山は殆どないと言っていい。」(深田久弥)
……まさにその通りだ。
昨日あえいで登った尾根。眼下に赤岳展望荘
◆朝食を食べ、出発の準備を整え、外に出る。わずか1時間ほどで空はすっかり明るくなっている。
しかしものすごいな、この山頂からの展望は。。
南は権現岳の向こうに南アルプス | 西はこれから狙う阿弥陀岳 | 北は北八つと蓼科山 |
◆思う存分山頂からの展望を満喫した。じゃあ出発!今日はこれからトイメンの阿弥陀岳に登り、行者小屋経由で下山予定。
◆赤岳へは、あちこちから(5ルートくらい)この山頂を目指して登山道が作られている。道を間違えるとシャレにならないのでよーく確認しながら
の下山。阿弥陀岳を目指しているものの、どうも権現岳方面に下っているようで、途中までちょっと不安になる。
阿弥陀方面への下り道はかなりの相当な急斜面でしかもザレているので慎重な足運びが必要。逆から登ってくるのはかなりしんどそう。
◆赤岳と阿弥陀の鞍部には中岳という丘みたいな山があって、ここからの展望も最高だ。中岳をチョイチョイと降りると、地図では「中岳のコル」と
書かれている場所に到着。ここでちょっと休憩したあと、ザックをデポして阿弥陀の急斜面にとりつく。
この山は赤岳山頂からさんざん眺めているから想定はしているものの、かなりの急斜面だ。上のほうにハシゴも見える。
こういう斜面は「高度が短時間で稼げる」から、あせらずペースを崩さずに登るのが大事だ。
◆みるみる高度があがっていき痛快だ。振り返ると昨日の縦走路が一望だ。太陽の位置の関係で、赤岳は名前とは違って黒々と正面に威厳をもってそびえている。急斜面を20分ほどで山頂に到着。赤岳に負けないスーパービュー! | |||
赤岳を振り返る | 阿弥陀岳のてっぺんがもうすぐ。 | 阿弥陀岳山頂 |
昨日の縦走路。真ん中のなだらかな山が硫黄岳、ゴツゴツした山塊が横岳。
◆中岳のコルに引き返す。小学生くらいのの女の子と男の子を連れた家族連れが登ってくる。聞けば女の子は4年生という。超元気。
あの子も頂上で大展望を見ることができると思うとうれしくなる。
◆中岳のコルでザックを担ぎ、行者小屋へのんびり下っていく。久しぶりに森の中に戻る。
◆行者小屋に到着。まだ南沢を2時間くらい歩くが、我慢できるわけがない。ビールを注文! まだ夏の日差しと、青空と、山の緑と、ビール。
最高だぜ。ついでにカレーも食べて、超満腹。
行者小屋
◆なんと行者小屋で1時間半ものんびりしてしまった。顔が日焼け。
このあと八ヶ岳の森を楽しみながらのんびり南沢を下り、美濃戸から車で下諏訪に向かった。(みなとや旅館)
途中の車窓から眺める八ヶ岳連峰は、青空のもと、その姿は颯爽であった。