西農鳥岳





農鳥小屋 → 西農鳥岳 → 農鳥岳 → 大門沢小屋 → 奈良田温泉・白根館



◆たっぷり寝た。体調も戻った。好調そうである。あとは天気。。。
  あまりすっきりはしてないが、今日は展望も良さそうだ。小屋から出ると目の前に昨日通過した間ノ岳がドーンとそびえている。
  山の朝はこうでなくっちゃあ! さあモチベも上がってきたゾ。
 


◆質素な朝メシを食って、用意して、さあ出発! ここのオヤジとサヨナラするのは嬉しいが、小屋で飼っている甲斐犬のチビども(3匹)と別れるのは名残惜しい。


西農鳥岳に登る途中から振り返った
間ノ岳。でも、あらあらまたガスが。。



◆体調はすっかり戻って、登りも好調だ。やっぱ昨日と全然違うわ、と思いながら何気に後ろを振り返ると、間ノ岳がドーンとそびえている。
  この山のボリュームは大したもの。ただ、「今日こそは晴れ」と思い込んでたところに、モクモクとガスがわいている光景を見ると、やや気分もダウン。


◆また雨が降るかもしれないが、今日は農鳥岳を登頂すればあとは下るだけである(この下りが恐ろしく長いが。。)。農鳥まで展望があればOKだ。
  あまり想像していなかったが、農鳥小屋の周辺は沢の源頭が広々としたところで、アルプスらしい雄大さを実感できるところだ。雄大な庭園。あの大井川の源流部でもある。
  農鳥小屋を出て40分ほどの登りで西農鳥岳に到着する。途中「ゲンコツ」のような塩見岳が顔を出してくれた。



ガスの合間から顔を出した塩見岳
「ゲンコツ」「兜」のような山容。
農鳥岳の稜線。こういうところを
歩くのは気持がイイ。
おーちゃんが偶然取った芸術的写真
(ほんとはタイミング失敗写真?)
向こうに人が見えるのが西農鳥岳




◆西農鳥岳は3050m。農鳥岳が3026m。
  名称の上からは農鳥岳が本峰扱いされ、三角点も農鳥岳にしかないが、標高は西農鳥岳の方が高い。
  西農鳥岳の山頂は岩峰が突き出たようなカッコイイ姿だ(右上の写真)。直下がガケなので展望もよい。RIKI好みの山頂。


◆小休止して、しばらく展望を堪能しながら稜線をたどると(1回下って、また登るようなイメージ)、やがて農鳥岳に到着。 白峰三山の最後の頂であった。



2008年9月22日 7:45 農鳥岳(3026m)登頂




◆農鳥岳に到着するやいなや、だんだんガスが多くなってきて、西農鳥岳の向こうに見えるはずの間ノ岳は見えなかった。
  ここからひと下りで大門沢の下りの入口である。




◆「あとは下るだけだから楽だもんね〜♪」と思うのは大間違い。実はこの大門沢の下山路は、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根と並ぶ日本有数の長大で急勾配の続く登山道なのである。
  標高差は約2000m、長さも広河原〜北岳の2倍くらいありそうだ。コースタイム約6時間(!)
  …そして、また雨が降ってきた。。かなりの雨量である。



大門沢下降点。ここから長大な下り。
K隊長は傘をさす。
途中の大門沢小屋でリンゴを
食べるおーちゃん。
雨ですべるすべる。
こういうところを通る。落ちたらヤバイ



◆大門沢を下ってるうちに本格的に雨が降り出した。かなりの雨量である。大門沢の小屋では、なぜか食べたいと思っていた「うどん」を売っていた。 うーん、生き返るぜ。
  ここまで登ってきた登山者が、あまりの雨量に予定を変更してここに泊るという。「農鳥小屋泊るより、その方がいいですよ」
  なぜかK隊長が「食べへん?」と言って、おもむろにザックからリンゴを取り出す。それを無邪気におーちゃんがほおばる。
 


◆O友隊員は下りが不得手だ。RIKIも苦手だが先頭をまかされる。途中のプラスティック製のハシゴで足を滑らせて、前方の岩に体が突っ込む。
  (滑るのは予想してたためか)打ちどころがよかったので、激しくぶつけた割には大事に至らず。
  実はその前に、あまりに下りが長いのでK隊長と声をはりあげてナツメロを歌っていたら、ガケから足を踏みはずして落下してしまった。
  この下りは散々であった。



◆大門沢の小屋から3時間も下ると、雨もだんだん小止みになってきた。発電所やつり橋も現れ、そろそろ終点が近いことを教えてくれる。
  どこで連絡したか覚えていないが、終点の休憩小屋で宿の迎えの車が来てくれている。ラクチン♪


大門沢終点付近のつり橋 今夜のお宿は名宿・白根館



◆奈良田の白根館は風呂はいいわ、食事はいいわ、で山奥の温泉宿にもかかわらず人気の宿である。
  3日間の疲れを、大量のビールと温泉がたっぷりと癒してくれたのは言うまでもない。  興味がある人は→コチラ


◆今回の山行は二日酔で体調が悪かったり、雨で展望がなかったり、変な山小屋のオヤジがいたり。長い下りでガケから落ちたり、岩に激突したり、さんざんではあった。
  が、しかし、また来てやるぜ!と思うのは、やっぱり山が好きとしか言いようがないのである。


おわり



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