2003 Oct. 12 須磨アルプス ハイキング


布袋様のイケナイささやき の巻



大都会・神戸のすぐ裏にこういう場所があることが信じられるだろうか?
六甲山は神戸の西のはずれ「塩屋」の海岸沿いから始まる。旗振山、鉄拐山という低山からスタートし、いったん、神戸の住宅街に下りた後、再び栂尾山、横尾山、そしてまた住宅地に下った後、高取山に続いていく、やがて激しいアップダウンを繰り返しながらそれが摩耶山、六甲最高峰と続き、最後は宝塚で終了する。

                         六甲全山縦走路。

かつてあの「孤高の登山家」加藤文太郎が驚異的なスピードで踏破(通常の人が15〜20時間かかるところ、一説では6時間で完歩)した歴史的な由緒正しいコースである。
須磨アルプスはその全山縦走路の一部、横尾山・東山の山塊を指す。今日は塩屋から高取山を縦走し、最後は源平の合戦で有名な鵯越(ひよどりごえ)を目指す。


←マップ1



2003年10月12日(日)



山陽塩屋駅 ⇒ 旗振山 ⇒ 鉄拐山 ⇒
高倉山(おらが茶屋) ⇒ 高倉台の住宅街


休憩いれて3時間あれば十分



いつものように阪急電車で神戸へ、途中で乗り換えて山陽電鉄の「塩屋(しおや)」駅で下車。住宅街をまずは旗振山を目指す。

塩屋の住宅街。少し迷った。 最初はこの石碑が目印。
この町も坂が多いなあ。
住む人は大変じゃないのか?
しばらく歩くと山道らしくなる。


今日は曇っているが10月だというのに蒸し暑い。湿度が高く、汗をカキカキのスタートとなる。
30分も登ると、旗振山の頂上に近づく。なんとその頂上は「遊園地」であった。


遊園地のリフトだ〜 旗振山に生息する動物たち 旗振山からの神戸の展望



ライオンさんやシカさんたちに出迎えられて旗振山に到着(これでも「六甲全山縦走路」である。なかなかシュールである。)小休止で汗を拭いていると対面の「鉢伏山」からも何人か登ってくる。
鉄拐山(てっかいざん)方面を目指す。


ゴルフ練習所なんかが
見えてたりする。
(打球音つき)
地図に無い分岐が多いので
注意。標識をよく見よう。
鉄拐山山頂。展望は無い。



鉄拐山を通り過ぎ、高倉山(おらが茶屋)→高倉台の住宅街へ抜ける。
住宅街へ降りる階段はとても急で、今まで高度を上げてきた苦労がすべてご破算になるような悲しい気持ちになる。

高倉山(建物が「おらが茶屋」)
公園になっている。
おらが茶屋付近から
の神戸の展望
高倉台の街とそこに下る
階段。「水の泡階段」?
前方に須磨アルプスが見える。



高倉台の住宅街を抜ける。日本で一番コンビニエントな縦走路。ここもやっぱりなかなかシュール。

縦走路はこんなとこを通る こんなとこも。。。 道路を陸橋で通過


上右の陸橋を渡るといよいよ須磨アルプスの山塊に取り付く。

←マップ2
 (須磨アルプス)




高倉台 ⇒ 栂尾山 ⇒ 横尾山 ⇒ 馬の背 ⇒
東山 ⇒ 妙法寺の住宅街 ⇒ 那須与一の墓
⇒ 萩の寺(高取山への登山道を探して迷う)
⇒ あきらめる ⇒ バスで板宿へ



陸橋を渡ると、地獄の階段登りが待っていた。
急斜面の階段をひたすらガマンの登り。
ピクニック気分で来ているファミリーもおり、そ
の中のおばあちゃんが顔を真っ赤にしている。
標高差約100mの階段なので、ビルの30階建
にほぼ相当する。(東京タワーの3分の1)

栂尾山(つがおやま)に到着すると、おばあちゃ
んが気分悪そうにしており家族が心配している。
こちらも心配だ。この先は危険箇所があるので
あまり無理しないようにと声を掛けたくなった。
栂尾山への階段。
写真ではわかりづらいが
めちゃくちゃ急斜面
栂尾山からの展望。
登ってきた鉄拐山とその向こうに
淡路島、明石海峡大橋も見える。



栂尾山で一息入れて、横尾山を抜けると、いよいよ須磨アルプスの核心部「馬の背」が現れる。(ページ最上部の写真も)


↑花崗岩の風化が進んでおり、道がザレている
ので、通行には注意が必要。向こうに見えているのが
妙法寺の町(神戸市)と高取山。
取り付けられた階段を行くハイカー。       ⇒
大都会の近くにこんなところがあるなんて全くスゴイ。


馬の背を過ぎ、東山を抜け、今度は高取山に取り付くべく妙法寺の方に降りていく。
(高取山に行かないのであれば、板宿に下山する道もある)



神戸の街を見下ろす
(東山付近)


東山から見た馬の背方面と
横尾山。
妙法寺への下山路では
コスモスが満開。
妙法寺駅方面に続く住宅街を
歩く。ここも「六甲全山縦走路」



地図を見て気が付いたのだが、なんとあの「那須与一」のお墓があるというではないか。名前も「那須神社」。お〜感激!これは行くしかない!水が無くなったので、コンビニに寄るべく縦走路を通り過ぎ、妙法寺の駅まで遠回りする。そしてコンビニでジュースを購入後、妙法寺川沿いの道を那須神社に向けて歩く。高取山への登山道は妙法寺小学校あたりから始まるのだが、地図を見ると那須神社の所からも登山道があるようだ。

那須与一の墓所。


お参りを済ませ、さあ、高取山へ!と思って「萩の寺(明光寺)」への参道を登る。しかし登山道らしきものが見つからない!お墓の中をウロウロする無体力トレッカー。30分ほどお墓の中で道迷い、一旦道路に戻り他に登山道の入り口らしきところを探すが、見つからない。
                             無い!無い!道が無い!!

あせるRIKI。気が付くと、ハイキングシューズの片方のソールが剥がれ、パカパカしている。ガーン!でも気力と余力はまだまだ残っているゾ!もう一度「萩の寺」に登りなおし、隈なく探すがやっぱり無い!合計1時間ほど探すが結局見つからない。ふと気が付くとお寺の本堂の前に布袋様の石像があり、こちらをニコニコ見ている。その姿を見ていると、充満していた気力と余力がシュワシュワシュワ〜としぼんでいくのが自分でもわかるのであった。

                          なんとな〜く、The End の空気が流れる。


「また来なはれ、おっホッホ」
と言っているようだった。


布袋様の顔を見ていると、「今日はビールでも飲んで、また出直しなはれ」と言っているようだ(自分勝手な解釈)。しょうがないので、那須神社前からバスに乗り板宿駅へ。板宿の交差点にある「餃子の王将」で餃子を肴に生ビールを2杯流し込む。

というわけで、高取山の登山道の謎のことはすっかり忘れたヘロヘロのRIKIが、阪急電車で揺られて帰るいつもの姿がそこにあった。

                                 布袋様、恐るべし


おわり


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