ヒュッテ大槍→山頂



◆たっぷり寝た。4時頃起きだし、外に天気の様子を見に行く。昨日見た天気予報では引き続き大気の不安定な状態が続くとのこと。長野では150mm以上の
  降雨が予想されている。しかし今朝は雨もあがり、空もいくぶん明るいようだ。ヒュッテから大槍もはっきり見えている。このまま持ってくれればいいんだけど。。。

◆5時には出発しようと思ったが、槍の肩で食べる朝食の準備なんかで手間取り、6時頃の出発となる。 まずは、このヒュッテから東鎌尾根をつたって槍の肩まで登る。
  ヒザは相変わらず不安なかんじが残っているが、足の筋肉は不思議と昨日ほど疲れない。ようやく山の足ができたようだ。1号に先行して登っていく。



予報とは違って天気はまあまあ。
1号が間違えて向かった殺生ヒュッテが見える。
東鎌尾根の稜線上。大槍ヒュッテを振り返る。 東鎌尾根から見上げた大槍。イヤなガスが。。。




◆このルートは北アルプス山麓の中房温泉を基点とし、合戦尾根を登り常念山脈を
  大天井岳まで縦走し、槍ヶ岳へ至る登山道、いわゆる「表銀座縦走路」の一部である。
  東鎌尾根上のこのコースを喜作新道と呼んでいる。
  鎖やハシゴのオンパレードであり、なかなか手ごわい岩の稜線だ。
  しかし、アルプスのダイナミックさを味わうにはもってこいのルート。
東鎌尾根がダイナミックだ。遠くにヒュッテ大槍が。



◆大槍の直下をトラバースし、1時間ほどで槍の肩に到着。しかしあいにく穂先はガスが覆ってしまい、何にも見えへん状態。
  この時間を利用して朝食を食べることにする。食べ終わってもしばらくは何にも見えない状況が続いたため、半ばあきらめ顔。
  「あーあ、8年前もガスだったよなあ、しょうがない、登るか」 そう思った時、突然ガスが晴れてきた。遠く穂高方面も展望が開ける。
  やったあ!!よしアタック開始だ!!




ガスが晴れた!さあ頂上アタックだ。奇跡的に青空も覗く。






いよいよアタックだ。待ち望んだ岩登り。8年前の記憶を思い出しながら岩に取り付く。
槍ヶ岳山荘を後にする。 穂先までマークだらけ 8年ぶりの感触!




◆あわてずゆっくり登る。
 1号は普通の登山道とは勝手が違うようだ。
 歩くのは速いが、岩場は慣れておらず、ホールドに戸惑う。
 登っているうちにまたしてもガスがわいてきた。あ〜あ。
アタック中の1号。やべ!ガスが。。 最後のハシゴ。高度感バツグン。



7:55 ついに8年ぶりの穂先に立った。
二人でがっちり握手。うん、頂上の地形も覚えているぞ。意外に広い。
さっきまで青空も見えていたが、アタックしている15分くらいの間に瞬く間にガスがわいてきてしまって、展望は全体の1/5程度。それでも何にも見えなかった8年前に比べれば満足だ。
頂上には6人ほどしかおらず、静かな時間が過ごせた。    
槍ヶ岳頂上(3180m)→



◆しばらくするとガスで全く展望が無くなってしまった。今日は行程に余裕があるので、しばらく山頂で過ごす。
  1時間ほど粘ったが結局晴れなかったので9:00に下山する。


穂先から見下ろす西鎌尾根 8年ぶりの記念撮影 8年前の記念撮影 ´▽`




下山


◆穂先から降りる時も慎重に。登りより下りの方が事故が多い。
  肩まで降りても全くガスで何にも見えない。さあ、下山開始だ。これから徳沢までイッキに下る。ヒザが違和感があるRIKIは不安いっぱいである。
 








当初の急斜面では違和感があったヒザも、不思議と痛まなくなってきた。ホント不思議。
坊主の岩小屋まで降りて振り返ると、大槍が見えている!くやしいなあ。今日は土曜日、
下から登ってくる登山者が多い。グリーンバンドを過ぎてから「今日は槍が見えますよ」と
励ましてあげる。
しかし、しばらく槍沢をl下ると、今度は雨が強くなってきた。ずっとレインウェアで汗ぐっしょり
になる。全く山の天気はあっという間だ。
坊主の岩小屋
おー槍が見えてるぅ!



◆往路を雨に濡れながら16時に徳沢ロッジに到着。
 部屋は2段ベッドの4人部屋の貸切状態。
 さっそく風呂に入り、夕食(結構豪華)を食べ、
 酒を飲んで眠りについた。
徳沢ロッジ ロッジは窓から緑の景観が素晴らしい



◆翌朝、朝食を食べて6:30には出発し上高地に戻る。
  今日も大気の状態は不安定なはずだが、絶好の天気!!
  往路を戻るのはつまらないので、明神から明神橋を対岸に渡り、
  木道や上高地らしい小川のせせらぎ、静かな樹林帯を通って河童橋に向かった。


梓川。天候最高! 明神岳。 アルプス唯一の活火山、焼岳




◆今日は日曜日、ピークの時ほどではないが上高地は観光客が多い。早朝のイイ天気の上高地はホントに爽やかだ。
  河童橋で記念撮影をして、タクシーで沢渡に戻り、車で帰途につく。
  途中、島々の近くにある「竜島温泉せせらぎの湯」で汗を流した。


◆8年ぶりの槍ヶ岳は何も変わっていなかったように思う。全てが8年前の思い出のままだった。
  8年前に初めて登頂したとき感激でこのHPに残した言葉を、恥ずかしいが、、もう一度記載する。




私が年老いても、
そして私が死んで1号のけんすけが年老いても、
いつまでも槍の穂先は変わらないだろう。
永遠に悲しいまでにひとり天を指しているだろう。
いつの時代になっても、
それぞれの人にそれぞれの槍があるだろう。




上高地・河童橋にて。



おわり