桑田佳祐、山下達郎、ユーミン…etc.日本のトップ・アーティスト達が他人に提供した知られざる名曲のカバーを中心に、
そこへ肩を並べたオリジナル・ナンバー。このCDは単なるカバー・アルバムでもオムニバスでもない。
巨匠達への多大なるリスペクトを込めた、ヤングレコードが放つ壮大なコラボレーションなのである!!
1.すてきなトランスポーテーション
(作詞/作曲:桑田佳祐 唄:The PERMANENTS)
伝説のブラス・ロックバンド”スペクトラム”のギタリスト、西慎嗣のソロ・アルバム「NISHI」('80年)より。桑田佳祐が初めてプロデュースした作品。爽やかにレイドバックしたパマネン流A.O.Rアレンジ。
2.Super Folk Song
(作詞:糸井重里/作曲:矢野顕子 唄:石田洋介)
コピーライターとして有名な糸井重里の唯一のアルバム、「ペンギニズム」('80年)に収録された楽曲。'92年に作曲の矢野顕子本人がピアノの一本の弾き語りでこの曲を救い出し、アルバム・タイトルにもなった曲。おそらく本アルバムでは最も原曲とは解釈の違う仕上がりになった。
3.愛して
(作詞/作曲:浜田省吾 唄:浜ユウスケ)
原曲はゴッド・オブ・ジャパニーズ・ソウル、和田アキ子。シングル「ひとり酔い」のB面として'79年にリリース。実はこの曲、今も根強い人気を誇るテレビ時代劇"必殺シリーズ"の一幕「翔べ!必殺うらごろし」の主題歌として起用されていた。ファンキーなディスコ調ナンバー。
4.愛・イッツ・マイ・ライフ
(作詞:吉田美奈子/作曲:山下達郎 唄:石田洋介)
アン・ルイス'79年のヒット曲「恋のヴギ・ウギ・トレイン」のB面。メロウなA.O.Rナンバーで石田洋介のボーカルも素晴らしい。彼にとっては初の女性詩なのでは?
5.追憶のメリージェーン
(作詞/作曲:田光マコト 唄:The PERMANENTS)
ザ・パーマネンツのオリジナル・ナンバー。'80年代にザ・ベストテン等、お茶の間を賑わせていたロックをイメージして書いた曲。
6.朝焼けが消える前に
(作詞/作曲:荒井由実 唄:浜ユウスケ)
76年石川セリのアルバム「ときどき私は…」に収録されたナンバー。ファンにとっては"ユーミンにセルフ・カバーして欲しい曲ナンバー・ワン"だそうだ。歌謡曲からニューミュージックへと進化した浜ユウスケの新しい一面が伺える。
7.A.B.C.D.
(作詞/作曲:井上陽水 唄:石田洋介)
全曲井上陽水の作詞・作曲による沢田研二'82年のアルバム「MISCAST」に収録。後に井上陽水もセルフカバー・アルバム「9.5カラット」('84年)に収録され、陽水がジュリーに提供した曲のなかでもひときわ陽水色が光ってていた曲。アルバム中唯一ダビングなしの一発録りブルース。
8.おしゃべりルージュ
(作詞/作曲:近田春夫 唄:The PERMANENTS)
平山三紀が"平山みき"と改名し、近田春夫のプロデュースでニューウェーブ路線に挑戦した名盤「鬼ヶ島」('82年)に収録。
平山美紀といえば筒美京平作品が有名であるが、作者の近田春夫は言わずと知れた大の歌謡曲ファン。その彼が平山みきというシンガーを通して筒美京平に勝負を挑んだ作品。本アルバムではカヨがボーカルを担当
9.哀愁のコニーアイランド
(作詞:森雪之丞/作曲:大瀧詠一 唄:浜ユウスケ)
山口百恵'80年発表のアルバム「メビウス・ゲーム」に収録。御存じ"NAIAGARA TRIANGLE"の発起人、大瀧詠一の作品であるが、この人ほど一聴して作者が解るサウンドを作る人も他にいないのではないだろうか。本作ではスチールギターをフィーチャーして大人のハワイアン・ジャズ風に仕上がっている。
10.偶然の列車
(作詞/作曲/唄:石田洋介)
石田洋介のオリジナル・ナンバー。ここ数年の石田の作風とは一風変わったストレートなビートだが、決してガキのロックに終わらない所は流石。
11. ピロー・トーク・レビュー
(作詞:佐藤奈々子/作曲:佐藤奈々子・佐野元春 唄:The PERMANENTS)
ジャズ系シンガー、佐藤奈々子のアルバム「Pillow-Talk」('78年)に収録。佐野元春が「アンジェリーナ」でデビューしたのが '80年。そう、デビュー前に既に作家として起用されていたのだ。
12. あなたマイ・ラブ
(作詞/作曲:石田洋介・田光マコト 唄:浜ユウスケ)
アルバム・ラストを飾るのは、石田洋介と田光マコトが敢えて自分達では唄わずに作家としての力量に挑戦したスケールの大きなバラード。おそらく共作と呼ぶには理想的な仕上がりになったのではないかと自負しております。そしてこの曲を唄いこなせるシンガーは僕でもなく石田でもない、他ならぬ浜ユウスケしかいないのである。
|